老頭児六十六

ちょっと辛気くさいかも。

耕して天に至る!

「耕して天に至る」は新藤兼人監督の映画「裸の島」のオープニングで使われている言葉。瀬戸内海の電気も水道もない孤島で過酷な生活を送る一家を描いた「裸の島」。ロケ地は広島県三原市宿禰島と聞く。


その言葉だけでは、「祈りかつ働いて天国行こうぜ」みたいな意味にとられかねないが、実はそのあとに「以て貧なるを知るべし」と続く。中国人VIPが、島の天辺まで耕され尽くされた様子から想像される生活の厳しさを嘆じた漢詩の一節とか。マズローの5段階の欲求の「社会的欲求」すら無縁の人生って…。自分の人生を振り返ったとき、何となく思い出してしまったお話。ただそれだけ。